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このプロジェクトのことを知っていた夫の佐原が話をもってきたんですが、その前から、私もチラっとテレビのニュース番組などで見て「黒田さん、こんなことやってるんだ」とは思っていました。黒田さんとはネーネーズのころからお付き合いがあって、ネーネーズを辞めたあともペインティング・ライブとかでご一緒させていただいてたんです。だから、黒田さんがPIKADONプロジェクトっていうのをやってることを佐原が知ったとき、黒田さんに「『黒い雨』という歌を古謝美佐子が歌ってますよ」って、話さずにはいられなかったんです。
このプロジェクトのために『黒い雨』を作られたというわけではないのですね。
『黒い雨』自体は、もともと'90年代の最初に桜川唯丸(さくらがわ・ただまる)さんが歌っていた歌なんです。唯丸さんは江州音頭(ごうしゅうおんど)を歌っている素敵な方なんですが、私はネーネーズとしてアルバム制作のお手伝いで参加したんですよ。そのアルバムのなかにオリジナルの『黒い雨』が収録されてるんです。そのアルバムをプロデュースしたのが佐原で、唯丸さんのために『黒い雨』を作ったわけなんですが、その歌を聴いたとき、唯丸さんの歌い方と、その歌詞がすごく気に入ったんです。
まだ、CDブック『ふたつの黒い雨』は発売されて間もないわけですが、反響などはありますか?
CD発売の反響というものはまだないです。ただ、私は歌い始めてすぐにCD化はしないんですね。舞台に立って、約2年くらい実際に多くの人の前で歌い続けてからレコーディングをするんです。その歌い続けたなかでの反応は、大きなものがありました。
古謝さんは今まで沖縄の歌である島唄を中心に歌ってこられているわけですが、日本語の歌を歌うのは初めてだとか。
初めて歌ったというわけではないのですが、自分から大和口(やまとぐち、日本標準語のこと)で歌いたいと思ったのが、初めてだったんです。
歌いたいと思われたのは、やはり歌詞が心に響いたということですか?
そうですね。唯丸さんが歌っている『黒い雨』を聴いて……。唯丸さんは江州音頭の歌い方で歌っているわけです。音頭っていうのは、歌って踊って楽しく、ハッハッ!て感じの歌い方じゃないですか。唯丸さんも重厚な思いを込めて歌っているわけじゃなくて、サーって歌うんです。けど、そういう歌い方なのに、どこかせつなさを感じるんですね。
実際に大和言葉で歌われてみて、普段歌っている沖縄の言葉で歌う歌とは違いがありましたか?
島唄だと歌詞の意味まで理解できる方が限られてますよね。やっぱり方言で歌うわけですし。そういう意味で、すぐにわかる歌詞だと聴いてる人たちの心に直接訴えられるんじゃないかなって思います。とくに『黒い雨』はとても簡単で、子供がお母さんと歌えそうな歌ですし、より幅広く、大人だけじゃなくて、ちっちゃい保育園児にまで聴いてもらって、覚えてほしいんです。それで、物心ついたときに「こういう歌あったなー」って思い出して、「あー、あの歌はこういう歌だったんだ、こういう意味だったんだ」って思ってもらえれば。そんなふうに思ってもらえるよう、子供たちに歌ってあげたいなーって思います。小さいころに聴いた歌って、大きくなってからも絶対に忘れないから。私も小さいころに歌った歌や教えられた島唄は、体のなかから消えていかないんですよ。だから、そういうふうに小さい子供の時代からこの歌を聴いて、歌って、考えてもらって、平和の祈りを持つ心が育つといいなーって思います。
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